避難場所での低体温症対策

いつもお世話になっている大城先生と日本登山医学会のサイトに有益な情報がアップされたので、ご紹介します。

できれば、他の方の目に付くように下記リンクを他の方にお知らせください。


避難場所での低体温症対策

<避難場所での低体温症対策>
屋外に退避して救助を待っている方々、避難所でも十分な暖房がなく寒冷環境にいらっしゃる方へ、低体温症にならないために、以下のような点に注意することをお勧めします。
なぜ低体温症になるのか?
・ 低体温症は、熱が産生できない状態、熱が奪われ易い状態で起こります。
低体温症になりやすい人・なりやすい状態
・ お年寄り、小児
・ 栄養不足や疲労
・ 水分不足 
・ 糖尿病、脳梗塞など神経の病気がある人
・ 怪我をしている人
低体温症に気づくには?
手足が冷たくなったり、寒くて震えます。
体の中心の温度が35℃まで下がると低体温症ですが、震えは中心の温度が37℃から始まり、体に警告サインを出します。ここでのんびりしていると、本当に低体温症になります。震えがあるのは、熱を上げるエネルギーが残っている証拠です。ここで改善するのが一番安全で、早道です。
低体温症の対応が遅れるわけは?
心臓発作のように緊急性が低いので、もう少し・・と言ううちに、気づくと悪化してしまいます。
体温測定は?
一般の体温計で体温を測っても低体温症の診断にはなりません。
低体温症の体温は個人差がありますので、測定する必要はかならずしもありません。
とにかく、震えがあるか、意識がしっかりしているか、を確認して下さい。
震えが始まったら何をすればいいのか?
1。隔離  冷たいものからの接触をさけます。地面に敷物をしたり、風を除けたり、濡れた衣服は脱いで下さい。着替えが無くても、濡れたものは脱いで、毛布などにくるまって下さい。
2。カロリー補給  何よりカロリーで、体温を上げるエネルギーを補給することが大切です。
3。水分補給  体温が下がると利尿作用が働いたり、体内の水分バランスが変化し、脱水になります。温かくなくてもいいですので、水分をとります。温かければ、さらに理想ですが、まずは水分補給です。
4。保温・加温  体温を奪われないために、なるべく厚着をして下さい。顔面・頚部・頭部から熱は逃げ易いですので、帽子やマフラーなどで保温して下さい。毛布などにくるまる場合は、一人でくるまるより2-3人でくるまった方が暖かいです。特に、お年寄りや小児などは、元気な人が寄り添って一緒に包まれると保温効果があります。
屋外にいる場合は、これ以上濡れないように、湿気から隔離できる衣服やビニール素材などがあれば、くるまって下さい。
震えがある段階では、どんな温め方をしても大丈夫です。
悪化のサインは?
震えがなくても低体温症になっていることもあります。
見当識障害(つじつまの合わないことを言う)、ふらつくなども、重症な低体温症の症状です。また、震えていた人が暖まらないまま震えがなくなって来るのは重症になっている証拠です。
震えがなくなったり、意識がもうろうとしてきたら?
緊急事態です。震えが止まってしまった低体温症は自分での回復はできません。また急速に悪化します。
至急病院へ。
できるだけ丁寧に扱って下さい。
乱暴に扱うと、心臓が停止しかかることがあります。
病院搬送が難しい場合は、丁寧に扱いながら、保温につとめてください。
この場合の保温は、
1)上記の保温・温かい飲み物の摂取(むせないことを確認)を徹底する。
2)ペットボトルなどに、お風呂の温度程度のお湯を入れて湯たんぽを作り、脇の下・股の付け根・首の回りに当てる(42℃を超えた湯たんぽは、長時間当てるとやけどをするので注意)

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